既に2冊……

純情ポルノ (二見書房 シャレード文庫)

純情ポルノ (二見書房 シャレード文庫)

 キスさえ未経験なのに、なぜかポルノ作家になってしまった受。小説のモデルが片思い中の幼馴染な片恋もの。
 ベタベタに王道な話なんだけど、だからこそ書き方が難しい設定を、受と攻と双方の視点から双方の胸の内を、過去話を絡めながらすごく丁寧に上手に描き込んでいるところが素敵すぎる。惹き込まれて一気読み。「キスさえ未経験なのにポルノ小説家」である自分を懸命に隠そうとジタバタする受のさまが可愛かったし、不器用な生き方しかできない受を温かい目で見守りつつ、餌づけする攻もすごくいい。「食っちまいたい」て!!(笑)。表題作で約束だけして切り損なった髪の毛が、その続編でこんな風に使われるなんて。上手すぎる。
 幼馴染カップルの初々しくってほのぼの可愛い恋物語をにやにやしながら、ばんばんある食事シーンに食欲を刺激されちゃって大変でした(笑)。

駄目な男 (もえぎ文庫)

駄目な男 (もえぎ文庫)

 もやもやな気持ちがいつまで経っても消えないので、さっくりと再読。むむむ。今さらながら本編の最初から最後までが桜の花が満開になって散るまでの間、せいぜい10日間の話なことに驚く。で、タイトルの「駄目な男」て、受だけじゃなく攻のことも指してるんですねえ。
 再読して確認したことは
「受は憎悪しながらも「嫌よ嫌よも好きのうち」で、昔から攻のことが好きだったの?」→大正解。どんだけツンでるんだよって呆れるぐらにツンデレだった(笑)。
 「攻は当て馬とはいえ長く続いた恋人がいるんだから、ここまで受に執着しなくてもいいじゃん(で、その当て馬くんは何処に/汗)」→当て馬くんの行方は知らないけど、「寂しいのは嫌いだから」で、来るものは拒まず。本命がツレないから後輩とも付き合ってたらしい。あくまでも本命は後輩じゃなくて受。 
 それと、何回か本文中に「10年ぶり」て出てきたんだけど、具体的な描写がないので悶々としてる。一体何があったんだ!攻の母親との入籍のことも。20歳で入籍したってことはその時にはもう、攻と受と体の関係があったってことだよね。てことは受はいくら結婚したいぐらい母親のことが好きだったとしても、攻との関係を変えようという気持ちがあったからなのかな(あ。自分が自分の母親との関係が上手くいかなかったから、攻の母親と結婚することで親子関係をやり直そうと思ったのかしら)。母親の方も、入籍相手が息子の片思いの相手と、結果として息子から奪う形になると分かってたのかな(……息子を託せる人間だと思って入籍したってこと?)。男女の関係はなしだなんて、なんで入籍したんだか分からん。しっかし。母親に好きな相手を奪われちゃって攻がお気の毒すぎる。うんうん。これは精神的にクるわ歪むわー。とか、あれこれ書かれてない部分を想像しては楽しんでます(笑)。
 見た目はまともなのに、中身がダメダメでヤンで歪んでる攻(ただし2次元限定)が好きなんだなあと自分の萌えが確認できて大満足です。お義父さんが自分だけのものになってくれて、長年の思いが通じ、念願叶ってよかったね!>攻。しかし眼鏡したまんまって……曇って大変なんじゃないだろうか<心配どころが違います。