本日の読み終わり

姫君の輿入れ (SHYノベルス145)

姫君の輿入れ (SHYノベルス145)

 先に変化球の『貴公子の求婚』を読んでしまったからか、美男美女(?)のカップルと正統すぎて面白味に欠ける印象が。や、男の娘として男なのに女として、性を偽り隠して生かざるえなかった狭霧をそのがんじがらめの境遇から解放し、男としての本来的な生き方を差し出し、新たな人生を生き直す手助けをする実朝の、人間としての度量の大きさには感心したんだけどね。エロよりも物語としての面白さが印象に残る。
 「婚礼綺譚」シリーズの第3弾が早く読みたーい。

 2冊で完結なのかな。受の“地味でクールな印象ながら実は男殺し”な設定も、攻の“チャラチャラしてるけど実は受に一筋”な設定もよかったし、何より会話文が上手いなと感心したんだけど、特に最初の話での受の迷走っぷりが残念だった。自分の「好き」という気持ちに気づく過程がなんとなくグダグダで、唐突に告白しちゃうところもなんだかなー。最後の最後まで攻が本気で受のことを思っているのかどうか分からないのも、ちょっと。
 でも心通いあってからのラブラブぶりに、いい雰囲気になると必ず邪魔が入るところはすごく好き。2冊でお終いではなく、もう少し続くお話が読みたい。